株式会社ソニーDADCは、ソニー株式会社と開発を進め、映画など記録済みコンテンツ用のBD-ROM原盤(マスター)及びDVD-ROMの原盤製造装置『PTR-3000』を完成させました。
本装置の特長は、低コスト、安定したディスク製造、装置小型化の実現です。原盤のカッティング工程には、世界で初めて青紫色半導体レーザーの熱記録方式を利用したフェーズ・トランジション・マスタリング(PTM)微細加工技術を採用し、原盤製造工程数を半分以上削減しました。装置製造装置全体の大きさは、床面積で従来のDVD-ROM原盤製造装置の約5分の1の省スペースを実現いたしました。さらに、本装置は、BD-ROMに加え、DVD-ROMの原盤製造を一台で行うことが可能です。

大容量を実現する高密度光ディスクの製造は、ディスクに記録するピット形状が小さいため、従来のDVDの原盤(マスター)製造装置をそのまま流用することが困難でした。
本装置に採用したPTM技術は、電子ビームや遠紫外レーザーによる高密度記録で使用されるフォトレジストの代わりに、金属酸化物から成る無機レジストを使い、アモルファスから結晶への熱による相変化を利用するものです。この熱源には、波長405ナノメートルの民生用青紫色半導体レーザーを採用し、解像度の高いピットの微細加工を実現することができました。

『PTR-3000』は、スパッター部、露光部、現像部から構成される簡素な構造となっております。製造工程においては、従来のガラス原盤とフォトレジストの代わりに、シリコンウェハーと無機レジストを使用することで、前処理や導電化処理等の工程が不要となりました。この結果、原盤(スタンパー)を直接複製化することが可能となり、現行メッキ装置と組み合わせた原盤製造工程を、11工程から5工程へと削減することに成功しました。
【原盤製造工程数の削減:11工程から5工程へ】
